製品の種類と特徴
CPMアルコール系脱脂処理剤の製品特長と性能メリット、デメリット。石油系有機溶剤との比較
アルコール系脱脂処理剤の特徴
CPMのアルコール系脱脂処理剤は主成分をイソプロピルアルコール(以下IPA)、更にイオン交換水で希釈しています。希釈している理由は揮発性と攻撃性の調整です。
脱脂行為は脱脂溶剤が乾ききらないうちに拭き取る事に意味があります。IPAは揮発性が結構高いため希釈していますが、石油系と違ってユーザー様の意思によっても希釈が可能である点も優位です。
なぜアルコール系なのか?
まず脱脂をする意味と目的ですが、字の通り「脂を脱する」油分を取り除く行為であり、目的はコーティング剤の密着性向上です。ワックスやコーティング剤の密着性は耐久性に比例しますので決して軽視できない作業です。
そこで脱脂する能力は当然高い方が良いのですが、アルコール系の脱脂処理剤はどこでも売っている石油系有機溶剤の「シリコンオフ」などの商品に比べて脱脂性能自体は低いです。
これでは一番大事な性能が発揮できないし、目的が達成できないのでは意味がないのでは!?と思われるでしょう。しかしながら採用した理由はメリット・デメリットと弊社コーティングの特性が関係しています。
CPMコーティング独自の理由
これは1番大きな理由です。CPMのコーティング剤は硬化型ガラスコーティングです。しかも1液の「無溶剤」ガラスコーティングです。石油系有機溶剤を使っていません。
実は石油系有機溶剤と混合しますと硬化促進されて固まってしまう上、組成構造が破壊されるため撥水や防汚効果が著しく低下するケースがあります。
石油系の脱脂溶剤を使っても残留成分がなければ問題は起きませんが、付着したクロスで完全硬化前に拭いたりした場合には影響が出る可能性があります。そういった可能性を排除するためにアルコール系を推奨販売しています。
また、密着エネルギーが非常に強いためアルコール系の脱脂溶剤で処理できるレベルの脱脂が完了していれば、脱脂状態として耐久性の違いなどに影響は無いというデータを弊社で保有しているためです。
デメリット
先ほど書きましたとおり、脱脂の目的は油分を除去してコーティング剤の密着性を向上させて、耐久性を確保することにあります。目的は一つならば、この性能に特化していることは重要です。その性能が石油系より劣るという部分は最大のデメリットと言えます。
しかしながらデメリットとしてあげられる部分はこの1点だけだったりします。
メリット
1、気温によって変化する揮発性をユーザーの好みによって調整できます。アルコールは水溶性なので蒸留水などで希釈することが可能です。(水道水での希釈はお奨めできません)
2、ガラスのヤニ落としなどならば車の室内でも使用できます。(換気してください)石油系有機溶剤は室内で使用すると相当臭いが残留します。
3、汎用性が高く、ヤニ落とし、虫取りなどに使用できます。脱脂処理以外の用途にも活用できるということです。
4、石油系有機溶剤よりも攻撃性が低く安心して使用できます。自動車の部品は耐溶剤性に優れている部品が増えていますが、長時間の接触や高温時には影響が出ることがあります。
IPAも溶剤なので皆無ではありませんが、通常使用時においては影響が出にくく安心して使用できます。
製品特性とメリット・デメリットのまとめ
以上のCPMコーティングの特性とメリット・デメリットを総合して考え、アルコール系脱脂溶剤が弊社製品として適しているという判断のうえ製品化しております。