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花粉/車塗装のシミの除去・対策の研究

重篤化する自動車塗装への花粉のダメージ。シミの除去や対策についての研究

  今年は去年の~倍というニュースを毎年の様に耳にしますが、一体花粉はどこまで増加するのか?2011年も例外ではなく、「今年は去年の数倍~数十倍の地域も」とのこと。

 確かに今年は花粉が車に積るスピードがかなり早いように感じますし、洗車をしても水分によってあっという間に吸着してしまい、花粉だらけになってしまいます。

 こういった状況下においても撥水系の被膜は水膜が広がる親水系や弱撥水系に比べて、水分が付着している面積が限定的かつ、水も切れやすく拭き取りが容易なため洗車時には非常に優位になります。

花粉の塗装への重篤な影響

 花粉がもたらすものは一時的な外観の汚れだけではありません。塗装ダメージのカテゴリにおいても解説させていただいておりますが、塗装への浸食ダメージの可能性があります。

浸食メカニズム

 花粉単体では、多少べたつく感じがあり取れにくいという程度ですが、問題は雨天後の乾燥です。花粉の構造は球状の膜のような構造体の中にペクチンというタンパク質を含んでいます。水に濡れると殻が割れて中からペクチンが抽出されて塗装面への吸着を促進し、乾燥すると収縮時に塗装を痛めます。

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 これは収縮時に塗装も一緒に収縮してしまうためだと考えられています。塗装の状態が悪いほど、花粉の量が多いほど、気温が高いほど、付着してからの経過時間が長いほどダメージは深刻化します。

 画像を見ると何やら球状ですが、なにか殻が割れたような形状のものも確認できます。弊社の顕微鏡は生物顕微鏡ではありませんし、普段は対マテリアル顕微鏡として表面観察しか使用していないので鮮明ではなく申し訳ありません。機会があったらキチンと撮影できるような処理を施して撮影します。顕微鏡のせいではなく私の能力です。

花粉の除去方法

 特に付着してから除去までの経過時間が長いほどダメージの深刻化が顕著になりますので花粉が大量に付着した状態で雨に降られたら、乾燥後は出来るだけ早めの洗車が好ましいです。

 花粉自体は洗車で除去可能ですが、コーティングの防汚能力が低い場合や何も施工されていない素の塗装面の場合には洗車器による洗車や、軽い手洗い洗車では除去しきれずに残留する場合があります。

 弊社のアルコール系脱脂処理剤は脱脂性能による除去が可能で、アンチデポジットカーシャンプーに関しましては花粉のタンパク質成分(ペクチン)の除去効果に対して有効な成分が含まれているため通常のカーシャンプーより優れた除去効果を発揮します。

 花粉が酷い場合は通常希釈倍率50~200倍に対して、特別に30倍程度でお使いいただくと有効に除去できます。30倍でも塗装への影響はございません。

熱による塗装(シミ)ダメージの復元

 放置時間が長かったり、ボディーの温度が高い状態で染み付いた場合には花粉自体を除去してもシミが残るケースが散見されています。これは新車であっても発生します。コーティングされた車でも被害は起きますが、コーティングしていない車の方が被害が酷い傾向にあります。

 花粉自体の除去に関しては上記のカーシャンプーなどを使った洗車で除去できますが、取れないシミに関してはむやみに擦ったり強いケミカルを多用してはいけません。取れるものが取れなくなる可能性がありますので、まず熱による復元を試みましょう。

 収縮した部分を熱によって解放してやる方法です。

熱湯を使用した花粉シミの除去方法

 熱湯を使用する場合はプラスチックパーツへの影響を考慮すると80℃程度が安全ですが、継続して100℃の状態を維持するわけではないので実際には沸かしたばかりの熱湯を使用しても問題が起きたことはありません。むしろ熱湯をかけた時の火傷に注意して作業してください。

 水は流れやすく温度を維持しにくいため、処理する場所にマイクロファイバークロスなどを置いてその上から熱湯をかけて様子を見ながら作業しましょう。

 要するに蒸しタオルの高温版を持続して行う感じです。PVAという保水能力の高い化学合成のスポンジタオルの素材がありますが、耐熱性が低いため100℃の熱湯を使用すると素材に影響が出る場合があります。注意しましょう。

 何度か繰り返して、驚くほど何事もなかったかのように綺麗になる場合もありますし、若干残る場合もあります。少し残った部分は磨きなどでさらに目立たなくすることは可能です。熱処理の前に磨くと消えにくくなることがあります

ドライヤー・ヒートガンを使用した除去

 外部からの電源確保が課題になりますが、コードリールなどを家の中から中継して使用することは自宅でも十分可能な方法です。マンションなどですと若干厳しい条件になると思います。

 ドライヤーでの作業は状態を見ながら作業できますので簡単ですが、熱湯に比べて温度が高くなる可能性がありますので注意が必要です。一般家庭にはヒートガンなどはあまり無いと思いますが、ヒートガンは400℃近い高温になりますのでプラスチックパーツは簡単に溶け、下手をすると発火します。

 熱湯処理と比較して高い効果が得られる可能性はありますが、特にヒートガンは二次災害が起きる可能性がありますので推奨できる方法ではありません。

有効な花粉対策

 まずは洗車を行うことが重要です、花粉が付着している量が少なければ被害は起きにくくなりますし、シミに関しても時間の経過とともに酷くなりますので、雨に降られたらなるべく早く洗車することが有効な対策になります。

 天候によってダメージの深刻さが左右されるため100%有効な防御策はありませんが、同じ環境下で比較した場合、コーティング剤未施工の車の方がダメージが酷かった、コーティング施工車に関してはダメージ(シミ)が無かった・少なかった、という事例が多々あります。

 弊社のコーティング剤が特別優れていると押すわけではありませんが、硬化型のコーティングはこういった侵食系のダメージには強いため推奨できます。他のコーティング剤でも構いません。未施工よりは何かしらの保護剤を塗っておきましょう。

 撥水、親水による程度の違いも一概に比較できません。被害が酷くなってしまう典型的な例は、晴天で花粉がたくさん飛散し車に積る→通り雨で少量の雨→晴天で乾燥。というパターンです。

 少量の水分でも完全に親水化できるような超親水性を持続しているような場合は、撥水よりも有利かと思いますが、それ以外の場合は「滑水」の状態が有利です。すなわち水滴が滑り落ちる能力がすぐれていた方が有利です。

花粉のシミについての言及

 花粉で出来たシミは花粉から抽出したペクチンの乾燥によって塗装が収縮しシミになるという情報が通説です。しかしながら情報を知識として取り入れて発信しているだけで、実際に検証して情報発信をしているというケースは皆無に近いでしょう。

 弊社で検証した結果としては確かに塗装の収縮が起きており顕微鏡で表面解析した結果からもクレーター状になっていることが確認できております。すなわち「花粉で出来たシミ」は成分の染み込みや染色された状態ではなく、収縮等の作用によって塗装が変形した「傷などと同等の物理的なダメージ」に匹敵する状態です。

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 すなわちケミカル(除去剤等の薬品)による除去は不可能であるという判断をしています。弊社のアンチデポジットシャンプーは花粉自体を除去する性能は優れていますが、シミの除去性能はございません。

 花粉によるシミの除去が出来ないということは、あらゆる薬品に共通すると思います。事実イオンデポジットや鉄粉に対して強力無比な性能を誇り、現在成分調整中の開発品(開発コードDB)でも全く除去できませんでした。薬品では異物を除去することは可能であっても、塗装の凹凸を復元することは出来ないのですから当然とも言えます。

クリックで画像が拡大します。

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変形による凹凸だけではない鳥糞に匹敵

 判明したのは塗装の凹凸化だけではありません。塗装に小さな気泡、穴(ピンホール)のようなものが確認できました。これは鳥糞被害などでよく見られる現象ですが、花粉による被害もこのような状況を引き起こすことが判明いたしました。上の画像参照。

 今回解析したのは、樹脂(プラスチック)パーツ上に塗装された面であり、ボディー鋼板の塗装よりも弱い部分ですが仮にも1ヶ月未満の新車で発生しました。コーティングの施工はありませんでしたので、何らかのコーティングが施工されていればあるいは軽減は出来たのかも知れません。

 就職による変形+塗装自体の変質による気泡・ピンホールの発生。これは本当にペクチンの乾燥によるダメージだけなのか?なるべく被害を抑えられるコーティング剤、また完全除去できるようなシステムを研究中です。

弊社コーティングの花粉防御性能について

 今年の花粉被害に対する弊社エクスシールドのデータ数が少ないので完全防御は明言できませんが、高い防御性能は確認しています。もちろんテストピースをつかっての過酷な検証も続行中です。

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ちなみにこのテストピースのダメージはゼロでした。

超撥水、超滑水ガラスコーティング エクスシールド

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