テストピースの鋼板
CPMが実験や検証、試験等で使用している試験片(テストピース)に関して。
テストピース概要
CPMではコーティング剤やケミカルの試験などにテストピースを用いていますが、これは継続的に固定した環境下においての影響を調べるためには必須であり、環境が非常に不安定な屋外暴露の試験だけでは検証できないことが多いからです。
また弊社の耐候劣化促進テストに使用する際にも実際の自動車には使いにくいですが、ガラス板に塗布して試験したり、硬化した欠片に対してテストしても実用域に対する試験として不足であるため「実際の自動車塗装と同様の素材に対して行う」ということができます。
もちろん実際の車体を使用しての試験や検証、屋外でのテストピース暴露実験なども「同時に」行って比較検証の正確性やブレなどもデータ化しています。これによって短期間で複数の試験や検証の結果を出すことができる為、大小50以上を用意して進行しています。
素材(Material)
自動車などの車体にも使用される冷間圧延鋼板です。テストピースに使用しているのは板金工場でよく使用されている高品質な塗装です。サフェーサーからベースカラー、クリアまで非常に耐久性の高いものを使用し、メーカー出荷時の焼き付け塗装に近い形にしています。
クリアは耐薬品性や硬度にも優れた2液性のものを使用しています。メーカー出荷時の焼き付け塗装~板金での再塗装を想定とした時における製品検証と試験を行うためです。
簡易補修では1液性のウレタンクリアなどを使用する補修屋さんもいますので、想定して1液性のウレタンクリアで仕上げたパネルも用意しています。最悪のケースを想定して検証しなければいけないケミカルの攻撃性を検証するときなどに用いています。
大きさ(Size)
塗り易さ(施工性)などの検証も同時に行えますし、さらに分割して多数のコーティング剤との比較が出来る大きさが望ましかったため規格品ではなく特注で400×400にカットしたテストピースを使用しています。ピースというよりもパネル的な大きさです。
色(Color)
メーカー贔屓みたいに思われてしまうのが嫌なのですが、特に施工者が意識するトヨタの202に合わせて調色したソリッドブラックと、ソリッドホワイトの2種類がメインで、マイカやメタリックが入ったパネルも少数用意しています。トヨタのソリッドを選んだことに特別な意味はありません。多いカラーだからです。
基本的に顕微鏡での表面解析を行うことが多いため、マイカやメタリックが入っている塗装の場合顕微鏡で照射している同軸光で観察しにくくなるケースがあり基本的にはソリッドのテストピースを使用しています。