機能・メカニズムの解説
アンチデポジット・カーシャンプーの機能性とメカニズム
水道水の乾燥痕成分は何なのか?を考えて出来た製品
製品開発に当たって洗車中の水分が原因になっていることが分かったとしても、これらを除去する方法ばかり考えていては絶対に前に進めませんでした。
原因となっている金属イオンの存在は http://www.jwwa.or.jp/mizu/ent_up.html のような公開データを閲覧すれば一目瞭然であり、成分分析するまでもなかったのですが正直水道水の硬度がここまで高いとは思っていませんでした。
地域によってばらつきはありますが、硬度だけならばミネラルウォーターも真っ青な硬度の水道水も存在します。これらを使用している限りは洗車中に発生するデポジットは予防が難しいという現実があります。
だからこそ洗車に拘る施工店や洗車店では純水洗車という手法も用いているのだと思います。
しかしながら純水洗車という方法がDIYで簡単に実行できるかというと否です。フィルター付きのシャワーヘッドなどを用いれば幾分の低減は可能ですし、製品開発の構想の中にその案もあります。
ですが今のところ水道水のデポジットを効果的に低減できるには至りません。
カーシャンプー希釈液の乾燥固着を無効化
カーシャンプーの液は界面活性剤を用いているため通常の水よりも表面張力が弱く平べったく広がります。粘性がありますので成分で考えると水よりも蒸発自体は遅いのですが、広がってしまう分を考慮すると蒸発が早くなってしまい、乾燥してイオンデポジットが出来てしまう可能性があります。
せめてカーシャンプーの固着だけでも予防出来ないものか?純水で希釈したものを販売する・・・容器が大きくなりすぎるのでNG。
だとすると水道水で希釈してもシミになりにくくするしかない=希釈に使用する水道水のカルシウムイオンなどを無効化する。という構想で開発し、実際に100倍程度の希釈率でも乾燥痕が白く残りません。
これはキレート剤の性質により、希釈に使用した水道水中のイオンをキレート剤が無効化(固着化)しないようにブロッキング(封鎖)する化学反応を起こしているためです。
濯ぎ工程での効果
残念ながら濯ぎ工程ではこの成分も洗い流されてしまうので、実質的に濯ぎで残ってしまった水分に関してはイオンデポジットの防止に大きな効果は期待できませんが、一定の抑止効果があることが判明しております。
弊社のカーシャンプーの形態は業務用でよく見かけるようなドロッとしたタイプではなく、希釈倍率の割に非常に粘性が薄く洗剤の成分である界面活性剤の切れが非常に良好です。
実は界面活性剤が切れたタイミングで、濯ぎを止めますと極微量にキレート剤が残留した形になり、作用が期待できるためイオンデポジット抑止効果があるという訳です。
残留と言いますと聞こえが悪いのですが、水道水の中にも残留成分というものが存在し、その成分に比べても少ない量の残留なので悪影響は皆無に近いですが、効果に関しても微力になります。