タイヤの洗車(洗い方)
デリケートで痛みやすい車のタイヤの正しい洗い方についての解説
タイヤは傷めないように洗う
タイヤに関しては洗車ごとに洗う人、洗車はするけどタイヤは滅多に洗わないなど様々かと思いますが、実情としては洗わない人の方がタイヤを傷めずに済んでいる傾向にあります。
これはタイヤの素材が「ゴム」だからです。地面に設置する素材である為、強度としては高い部品ですが耐薬品性に関しては意外なほど弱く、石油類はもちろんのこと洗剤などの界面活性剤でも油分が抜けたり変質したりします。
洗いにくいのに汚れは落とし難い
そして厄介な事にタイヤの汚れは落とし難いにも関わらず、汚れ自体は非常に付きやすいのです。特に路肩に擦ってしまったりした場合は素材の傷を伴うため、洗っても基本的に完全に綺麗になってくれませんし、除去できるまで洗うと確実にタイヤの表面を痛めてしまいます。
またボディー上ならば容易に除去できてしまう泥汚れに関してもブラシでゴシゴシ洗わないとナカナカ落とせなかったり、ブラシでも完全に除去できないケースがあります。
「サイドウォール」はタイヤの顔、大切に
ユーザーから最も見えるタイヤの「顔」とも言うべきタイヤの側面はサイドウォールと呼ばれる部分になりますが、この部分は見える=太陽光の紫外線にも晒されます。
洗剤や溶剤を含んだタイやコーティングを多用しますとタイヤ表面の油分が抜けて、更に紫外線による劣化を促進してしまいます。最初は細かいヒビから始まりますが、タイヤの側面は変形量が以外と大きいため、細かい亀裂から大きな亀裂へと発展する懸念があります。
力任せに擦ったり、強い洗剤を多用してタイヤの汚れを落とすことに専念すると、思いのほかタイヤ側面の亀裂は早期に発生してしまいます。以下タイヤに優しい洗い方でタイヤをきれいにしましょう。
タイヤに優しい洗い方
まず泥などの異物付着に関しては放水や高圧洗浄機によって吹き飛ばします。高圧洗浄機の水圧は非常に高いので最低でも40~50cm離した位置から放水しましょう、ゼロ距離から放水するとタイヤにダメージが出る可能性があります。
高圧洗浄機がない場合でも放水によって除去できる泥の塊等が付着している場合は除去しておきます。
使用するタイヤブラシ
擦ることによる傷などはむしろホイールのことを気にした方が良いかと思います。素材がゴムであるタイヤですが、通常販売されているレベルであればブラシの良し悪しで痛むようなことは基本的にありません。
一般的に販売されているようなナイロンブラシでも結構ですし、拘る人には馬毛のブラシなどという製品もあります。洗いやすさを重視することをお奨め致します。
基本的に毛が硬い方が耐久性は高いですが、硬いと泡立ちが悪くタイヤへの追従性が悪くなり洗いにくくなります。逆に柔らかすぎますとブラシとしての汚れを落とす性能が下がります。
ブラッシングでの汚れ除去が重要になりますので、ある程度ブラシの密度があり、なおかつ柔らかめのブラシを選ぶといいでしょう。
タイヤを洗う洗剤について
基本的に洗剤の類は使わない方が良いです。汚れと思われる黒い泡、茶色い泡は固形の泥汚れが付着している場合を除けばタイヤの成分が溶解している可能性が高く、明らかにタイヤを痛めている証拠です。
アルカリ性の洗浄成分が入った洗剤は絶対に使用しないようにしましょう。ほぼ確実にタイヤの汚れ以外の物質が汚れと一緒に黒、または茶色っぽい液体になって流出するはずです。
洗剤を使う場合は中性のカーシャンプーを希釈して使用しましょう。弊社アンチデポジットカーシャンプーに関しては通常の中性カーシャンプーよりも油分分解性能が高いため推奨は致しませんが、使用可能です。
また中性のカーシャンプーを使う場合も洗剤成分を残したままの時間を極力少なくし、洗ったらすぐに流水で流すようにしましょう。
食器用洗剤は基本的に中性ですが、タイヤ付着するとタイヤの成分が溶解し茶色の液体になります。中性でもタイヤに影響を与えるという指標になると思います。目立たない部分で確認したいユーザー様は試してみてください。
タイヤの美観はタイヤコートで保つ
これだけの作業では汚れを完全に除去することは不可能です。また決して綺麗には見えない状態になっているでしょう。
塗装と異なる表面性質なので、塗装されたボディーと同様の汚れを除去するための手段はそう多くありませんし、多く実践することによってタイヤの寿命を著しく低下させてしまったり、逆に美観を損ねる結果となります。
CPMはタイヤの美観に関しては汚れをいかにして除去するかよりも、タイヤコーティングによって完成されるという考えです。タイヤコーティング剤に関しても洗剤と同様にタイヤを傷める製品が多く見受けられますので注意して選ぶ必要があります。