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塗装ホイールのメンテナンス(鉄粉編)

落ちにくい汚れのうち鉄粉の付着によるものの対処方法、洗浄方法。塗装されたホイールの場合。

ホイールの鉄粉汚れに関して

 普通の洗浄方法では落ちにくい汚れの中にホイール特有の汚れとして鉄粉系の汚れがあります。これはブレーキ装置に金属があるため、その金属粉が付着してしまうという自車発生源の汚れと、地面から近いため路面に堆積した鉄粉を拾って付着してしまう他車経由の汚れがあります。

 使用しているブレーキ装置の材質に依存し、欧州車ではブレーキタッチを重視するためブレーキディスク、パッドともに摩耗しやすい素材を使用しており、ブレーキングの感触は滑らかで独特ですがブレーキ装置からのダストが半端ではなく、市街地走行を1000㎞も行えばかなり汚れてしまいます。

 荒い鉄粉とは異なり、ブレーキダストの鉄粉は非常に細かく放置時間が長くなければ定着はしにくいです。ただし放置時間が長いと定着・固着して通常の洗浄では落ちにくくなり、強力な洗剤を使用しても効果が薄かったりします。

 こういった場合は鉄粉に反応する鉄粉除去剤を使用することによって、効果的かつ効率よく除去することが可能です。

ホイールクリーナーとしての鉄粉除去剤に関して

 鉄粉除去剤は非常に効果に差があり、選び方が難しい薬剤でもあります。鉄粉除去剤に含まれているチオグリコール酸アンモニウムという還元剤の効果によって酸化鉄を還元し除去する、というのが鉄粉除去剤のメカニズムです。

 還元反応を用いた鉄粉除去剤は紫色に変色しますが、変色反応と除去効果は比例しません。1%の溶液でも反応して鉄粉が除去できているかのような演出をします。

 もちろん濃すぎても使いにくいのですが、1%の溶液と業務用の20%近い溶液では鉄粉の除去性能が全く異なり天と地の差があります。というよりも1~5%の溶液ですと変色反応だけでほとんど除去できません。

 10%~15%程度の濃度の鉄粉除去剤が業務用の鉄粉除去剤として販売されており、効果は高いです。

ホイールへの使用上の注意点

 ボディーへの使用方法と同様ですが、泥汚れなどがある場合は事前に除去しておくことをお勧めします。スプレー式の製品が多いと思いますが、周囲に飛散すると臭いが結構気になりますので、近距離でホイールだけにかかるように使用しましょう。

 塗装面への攻撃性や侵食性に関しての注意点は、鉄粉除去剤の還元剤の効果で一部塗装の有機顔料が変質するケースがあります。

 キラキラ光るフレーク状のマイカやパールに関しては無機顔料を使用しているので問題はありませんが、原色の低隠蔽塗料に含まれている「赤」や「黄色」を発色する系統のカラーは要注意ですので目立たない場所で試してから使用してください。

 場合によって黒色化、くすみなどの現象が発生します。

 顔料の種類に関しては企業秘密になっている部分が多く、問題の顔料の特定は難しそうですし、どのメーカーのどのカラーにどういった顔料が含まれているかを公開するのは色々と面倒が起きそうなので控えます。

 最もホイールに関しては、カラーの有機顔料を使用しているケースは考えなくていいでしょう。

鉄粉除去剤の使用方法、作業方法

 液剤自体は余計な添加物が入っていなければ液性は中性で塗装面などには攻撃性が低いため(乾燥しない程度の)一定時間放置して鉄粉が溶解するのを待ちましょう。

 中性で塗装には害が少ない部類ですが、成分が残ると臭い的にも侵食によるシミの観点からもよくない影響が出る可能性がありますのでしっかり濯いでください。これに関しては他の薬品を使用した時もそうです。濯ぎはしっかり行って塗装に負担を掛けないようにしましょう。

 一次洗浄時に落ちなかった焼きついた油分汚れなどが鉄粉が取れることによって落ちることもあります。焼き付きがひどそうな場合は、スポンジで擦るなどの若干の擦る動作を加えるのもアリです。ただし臭いが取れなくなるため絶対に保護手袋を装着することを推奨します。

 使用したスポンジは臭いの観点から車内や自宅に保管はしにくいため使い捨てか、ビニールに厳重密封するしかありませんが、汎用のスポンジなどをカットして作業性の好いオリジナルスポンジを作って使用することをお奨めします。

 高温になるホイールは熱による酸化が促進されやすく通常のコーティングはほとんど役に立ちません。熱に強い硬化型のガラスコートなどが鉄粉付着による焼き付きを防止してくれます。

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