デポジットブレイカーの効果
イオンデポジットをはじめとした自動車の塗装面にこびり付く「デポジット」すなわち固着物を破壊するケミカル、デポジットブレイカーの効果について。
除去(破壊)効果を望める固着物に関して
様々な固着物に対応しますが、通常の洗剤や溶剤を使用しても除去できない「イオンデポジット」や「鉄粉」に特に効果的です。これは特定の金属イオンに対して強い反応性を付与した液剤にしているためです。
イオンデポジット除去剤としての効果
イオンデポジットに関しては固着してから長期間が経過して塗装と同化したり、一般的に酸性クレーターと呼ばれている陥没状態にならない限りは限りなく100%に近い除去率を誇ります。
イオンデポジットは固着して時間の経過とともに塗装表面とのイオン結合が進み塗装を一部変形するに至ります。これが酸性クレーターの正体と思われ、実は酸性雨の地域でなくてもクレーター化が起きる一因だと確信しております。
このようになる前に除去が必要となりますが、都度研磨では塗装への負担も大きいですし、作業的な負荷も大きくなります。塗装面とのイオン化傾向が低い状態でならイオンデポジット固着基部から完全に破壊して取り除くことが可能です。
使用用途と効果例は以下の画像を参照してください。塗装面はもちろんですが、洗車機の樹脂パネル、風呂場の鏡など水道水が常時乾燥する過酷な環境下で固着したものも除去できます。
鉄粉除去剤としての効果
鉄粉の除去に関して知られている有効除去方法は粘土、ケミカルの2種になりますが、ケミカルの中で多く用いられているのが「チオグリコール酸アンモニウム」と呼ばれる刺激臭のする還元剤を主成分とした製品です。
この薬品は美容室などで使用されるパーマ液にも用いられておりますが、とにかく臭いがきついため自宅駐車場で洗車をしているユーザーにとっては悩みの種になっておりました。
特に効果の高い業務用の製品は単純に濃度が高いため効果も高いですが、その分臭いもきつく残りやすいという問題点があります。
デポジットブレイカーに関してはチオグリコール酸アンモニウム主成分の鉄粉除去剤のように紫色の変色反応はありませんが、分解反応は約10~30倍以上になりますので非常に効率の良い除去が可能です。(比較対象:業務用チオグリコール酸20%最高濃度製品)
ガラスへの攻撃性
7月5日一部変更しました。
ガラスへのダメージテスト。をご覧ください。ワイパー可動部のワイパー傷などが目立つ可能性があります。
イオンデポジット除去剤の中で最も強力な除去性能を誇る成分はフッ化水素酸と呼ばれるフッ化物由来の酸です。この酸は溶解能力が非常に強いのですが、「ガラスを溶かす酸」として有名な酸です。
よって自動車のウィンドウガラス、サイドガラスへの使用が禁止されている場合が多いです。またフッ化水素酸は毒物・劇薬指定の化成品になりますので取扱いには非常に注意が必要です。
デポジットブレイカーはガラスへの使用を一部可能とし、攻撃性を抑えるために酸の中でもフッ化水素酸は使用していませんが、長時間、高温時の放置によってガラスにダメージを与える可能性のある酸ではあります。使用には十分注意してください。
ガラスへの攻撃性を落とすという関連で、水中に溶け込んでいるイオンの中でもSiイオン=ケイ素イオンに関しての除去能力が低くなってしまうという問題点がありますが、イオンデポジットの成分の中では多く占める部分ではないので「安全性」の面から考えてあえて対応していません。
ケイ素イオンの固着に完全対応するにはフッ化水素を用いる他には対策がないため、ご了承いただきたいと思います。しかしながらケイ素イオン単体の固着物というのは通常考えにくく、その他のイオン分が相乗して固着しているため、その他のイオンを破壊する工程でケイ素イオンの固着も解除します。
そのため限りなく100%に近い分解性能を誇っています。