オルガノポリシロキサンとは何でしょうか?
硬化型ガラスコーティングでよく見かける主成分のオルガノポリシロキサンは全部同じものですか?
オルガノポリシロキサンとは総称名です。
オルガノポリシロキサンはガラスと同じ主鎖(主とする結合)のsi-oに有機官能基を結合したシリコーンの総称としてそう呼ばれることが多く、特定固有の物性を表す呼び方ではありません。
分かりやすい例えですと、ある「液体」の成分表記に「ジュース」と表記してあるとします。当然それを見た消費者は「何味?炭酸?」など様々な疑問が湧いてくると思いますし、何なんだこの表記は?となるはずです。
コーティング剤の成分表記における「オルガノポリシロキサン」はまさにこのような表記と同じと言え、有識者が見れば「有機官能基は?側鎖?両端末?官能基量は?」など様々な疑問が浮かんできて、シロキサン結合を有するシリコーンの一種なのだろうということ以外、性質等は一切わかりません。
不当な表示ではありません
ただし、不当な成分表記というわけではなく、詳細に表記したとしてもユーザーに無駄に混乱を招くだけだとは思います。
化成品メーカーや化学工場ではもっと狭義で詳細に定義している場合もありますが、自動車コーティングにおけるオルガノポリシロキサンはsi-o結合(シロキサン結合)を有する物質の総称であり、その中でも触媒を用いた湿分硬化型(湿気硬化型)の性質を持つものに表記されていることが多いのが特徴です。
そして、その性質などは結合している有機官能基の性質や官能基量に大きく左右されるためコーティング剤としての性質は同じ「オルガノポリシロキサン」でも大きく異なることがあります。
ガラスコーティング=シロキサンではない
ガラスコーティング、またはガラス質=オルガノポリシロキサンというように勘違いしている販売業者等も居られるようですが、これは間違った認識です。シロキサン結合をベースにしていても変性結合を誤ると硬度や耐熱性は著しく低下します。
逆に純粋なガラスよりも防汚性や耐蝕性、曲げ耐性、ボディーへの追従性を付加することによって自動車のコーティング剤として優れた性能にすることが可能であり、この部分がメーカーの腕の見せ所です。
フッ素系の硬化型ガラスボディーコーティング等はその最たる例と言えます。CPMで言えばクロスリンクスがフッ素との変性シロキサン結合の構造を有します。エクスシールドに関しては新素材を用いた結合ですが、フッ素に匹敵する防汚性能、上回る撥水・滑水性能を発揮しています。