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脱脂の作業方法と行程

洗車後に行うコーティング剤やワックス施工前の下処理である、「脱脂作業」の準備品と作業のポイント

脱脂作業の準備品と工程

※洗車とダメージ処理終了状態を脱脂行程開始の状態とします。

1、マイクロファイバークロス2枚とシリコンオフ(脱脂溶剤)を用意する

 最低でもマイクロファイバークロスを2枚以上用意します。これは脱脂剤を塗るためのクロスと拭き取る用のクロスで最低2枚必要になるからです。ワックス分の固着化が顕著にわかる場合や実際に脱脂剤を塗ってみてクロスが極端に汚れる場合はクロスが多めに必要です。

 脱脂作業は多頻度作業ではないので、ここはひとつ思い切ってクロスをたくさん使ってください。脱脂剤は車の大きさにもよりますが、100ml~200mlもあれば一台の脱脂作業が可能です。

2、脱脂作業の方法

 まず脱脂剤を折りたたんだクロスに含ませます。量の目安は、クロスで拭いたときに拭いた面が満遍なく湿るくらいです。垂れてしまうような場合は液材を含ませすぎです。

 適量の脱脂剤を含ませたクロスで拭きます。このとき範囲としては移動しないで一拭きできる範囲(大体60~80㎝四方)位を1ブロックとして拭きます。拭いたときの濡れた状態が乾ききらないうちに脱脂剤を含んでいない乾いたクロスで拭き取ります。

 これを車全体に対して繰り返します。

3、脱脂作業工程を効果的に行うポイント

 濡れた状態から乾ききらないうちに拭き取る作業は結構忙しいので、両手にクロスを持ちながら作業するような型になると思います。大変ですが大きなポイントです。

 なぜこのような工程をとるのか?という点なんですが、脱脂剤は溶剤です。溶剤で拭くことによって溶剤で分解されるワックスやコーティング被膜が液化して除去しやすくなりますので、除去しやすい状態で拭き取ることによって除去率の向上を狙う意味があります。

 乾いてしまうと脱脂剤を含んだほうのクロスで拭きとられた分は除去できますが、そのほかの部分は再付着してしまうので労力が報われませんし、効果が半減してしまいます。

 範囲を手が届く範囲でブロック化しての工程をお奨めしている理由も乾燥による再付着防止のために作業を小範囲でクイックに行うためです。

 ワックスなどの汚れた層が酷い場合は、脱脂剤を塗る方のクロスも拭き取る方のクロスもかなり付着物で黒く汚れると思います。このような場合はクロスの面をこまめに変えましょう。場合によってはクロスが更に複数枚必要になりますが、脱脂を確実に行うためには横着せずに綺麗な面を使って拭くようにしましょう。

4、禁止事項とデメリットの可能性について

 脱脂剤は使用するカーケミカルの中でも塗装への攻撃性が低くはありません。架橋した塗装はメーカー出荷時の塗装ならば耐溶剤性も高いため、通常の工程で行えば塗装のダメージを心配する必要はありませんが、高温時に樹脂部分(バンパーなど)の塗装部分の脱脂行程は禁止します。

 まず樹脂部分の塗装は金属部分の塗装に比較すると耐溶剤性が低い傾向にあること、さらに高温時は塗装表面が膨張、または樹脂素材そのものも膨張して引っ張られているせいで、基本的に自動車塗装に限らず影響を受けやすいという理由です。

 溶剤や薬品の耐性に関しては常温時に比較的長時間暴露しても影響が皆無に近くても、約60℃以上の温度あたりから急激に影響を受けやすくなります。ちなみに誤解の無いように書いておきますが樹脂部分の(メーカー)塗装には十分な耐溶剤性能を有してはいます。

 高温時使用や溶剤放置で起きる可能性のあるデメリットとは、濃色で起きやすい(確認しやすい)のですが白ボケです。剥離や溶解に至ったケースは再塗装の車以外には一度もありません。(約300台の脱脂データーベース中)

5、脱脂が終わったら

 脱脂行程が終了したら、斑がないか一通り確認しましょう。斑は乾いたクロスで取れない場合もう一度部分的に脱脂剤で拭いて乾いたクロスで仕上げてください。

 完了したら、できるだけ早くコーティングの施工を行ってください。脱脂とコーティングの施工はワンセットで考えたほうがいいです。

 そのため作業負荷が大きく、一日では終わらないことなどを考えて、たとえば今日はボンネットとルーフだけの処理、次回洗車時にドアや他の部分を処理~。というように急いで適当に作業をするより、ゆっくりと時間や作業負荷の軽減を考えて作業プランを立てることを推奨します。

脱脂した状態の塗装を放置しないようにしましょう。

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