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酸性クレーター・陥没化

修復困難なダメージである塗装の陥没(クレーター)化の原因と対策の考察

酸性クレーター?とは

 副題として「考察」という表現している理由としてクレーターになっている理由が本当に酸によるものなのか検証しきれていないからです。塗装の陥没化現象は全国各地で酸性雨ではない地域でも見られるため主原因が酸性雨ではないことも分かっています。

 施工しているコーティング被膜が酸化するから・・・というような意見も耳にしたことがありますが、非常に酸化劣化しにくいケイ素やフッ素系のコーティングを主体としたコーティング剤を使用していても、どうも発生しているようです。

 水分が乾燥したような痕跡であり、形はゾウリムシのような(異型楕円)形で陥没痕が多いことから水が蒸発したイオンデポジットが発展して形成するものだと考えられます。

 私的見解ですが酸の有無にかかわらずイオンデポジットによって形成された白い枠によってプールのような水のたまりやすい環境ができ、繰り返し同じ場所で水分蒸発を繰り返すうちにコーティング被膜または塗装との過反応(イオン化促進)でクレーター化してしまうのではないかと思っています。

 現実に酸化しない無機コーティングを施工しても年単位の観察によってクレーターらしきものの確認はできました。

クレーターの原因推測

 イオンデポジットが出来なければクレーターは発生しない。これは実験によって実証できましたので、薬品や糞害を除いては即クレーターになることはありません。

 よってクレーターはイオンデポジットが原因であり、イオンデポジットが出来にくい環境で付いたとしても短期間のうちに除去しておけば発生しないということになります。

 イオンデポジットに対して有利であると言われる親水被膜であっても例外ではなく、いかにイオンデポジットが出来たまま放置することで現象発生に至ると思われます。よってイオンデポジットが目立ちやすいといわれている撥水系の被膜コーティングも例外ではありません。

クレーターの除去方法

 DIYレベルでは非常に手が出しにくいダメージ処理です。陥没していますので最下部の深さまで周囲を研磨してやるしか消す方法がありません。数μmの単位ですが全体的にそのあたりまで研磨するにはポリッシャーが必要になってきますし、塗装を数μ削って処理すべきかどうか?という問題もあります。

 メーカーで塗装された焼きつけによる塗装表層はなるべく研磨せずに残しておきたいものです。

 ポリッシングに関しては機材と研磨材の選定から細かく説明する必要がありますので、ここでは省かせていただきます。

クレーター化しないための対策

 イオンデポジットの有無というのはユーザーの使用環境や手入れ方法にかなり左右されます。よって洗車やデポジットの除去頻度に関しては言及しませんが、手入れの回数が多いほどクレーター化の危険性は低減すると考えることができます。

 しかしながら手入れ回数が多くても、間違った洗車方法を繰り返していては全く意味がありません。洗車指南を読んでいただきたいのですが、その中でも炎天下の洗車や、洗車中の水道水の乾燥、洗車に使用する水の水質などは非常に重要なポイントです。

 またコーティング施工に関しても「ウェット施工」で作業している場合は途中に水分乾燥によるイオンデポジットを量産してはいないか確認する必要があります。こういったポイントの積み重ねは非常に大切で、製品を売りたいが為に強力な除去剤の除去性能・・・イオンデポジットの低減化コーティング効果を謳う・・・そういった物を売る前に私達は「出来ない為には、低減化するためにはどうすればいいのか?」という情報を提供することが大切だと思います。

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