鉄粉付着防止性能
「洗車傷」のような物理的ダメージに近い「鉄粉付着」を防止する性能をエクスシールドで検証した結果。多数画像による検証結果解説。
エクスシールドの鉄粉付着防止性能
洗車傷を防止する~そういった性能要求に次ぐ難度の鉄粉の付着防止性能ですが、ほとんど全てのコーティング剤の保証規約において鉄粉被害の保証がされているものを未だに見たことがありません。
弊社のエクスシールドに関しては「一般市場用」として開発したものなので保証書はつきませんが、仮に業務用だとしても対鉄粉防御に関しては正直保証書を付けるような性能に達していないとは思います。ただしその性能は他製品よりも優れていると自負しています。以下検証をご覧ください。
鉄粉付着防止検証方法
時間がかかる検証なので動画コンテンツには向いていないという判断から、画像検証にて判断していただきたいと思います。
鉄粉散布
まずテストピースの鋼板に純鉄の粉末(粒度20μm~150μm)の鉄粉を適当に散布します。テストピースは4分割しており、それぞれエクスシールド、ガラス系、ワックス、未施工になっています。
散布量のばらつきはありますが検証時には鉄粉が集中している場所を任意で選んで検証します。
比較対象のコーティング剤は他社とは無関係で自社で効果的と思われる材料選定をさせて頂いております。
塩化カルシウム水溶液散布1週間後
鉄粉の付着状況を促進するため塩化カルシウム水溶液を散布しました。本当は1日でかなり錆が出てきており、付着促進には十分な期間だったのかもしれませんが1週間程度の放置期間を置いてあります。
結果は見ての通りで大変な状態になっています。実験や検証において過酷な条件を作ることは製品の耐久性や性能を確認する上で非常に大切ですが、明らかな過性能検証は意味がありません。
過性能をアピールする実験は宣伝にはなりますが、実用上では何の意味もないということが度々見受けられます。
しかしながら今回の検証内容に関しては鉄粉が乗ったまま、スキー場等に向かえば同等に近い状況も考えられる訳ですから、実用に則した検証内容と言えます。
鉄粉防御は可能か?
すでに検証前に実用上鉄粉の完全防御は出来ないということは分かっていましたが、水洗いだけでは未施工部分を含めて全ての部位において鉄粉の付着防止性能は認められませんでした。
水分を散布した時の影響で、撥水系のワックスやエクスシールドは部分的に落ちているように見える部分もありましたが、これは防御性能とは言えないでしょう。
未施工部分との差は若干あり、ワックス・コーティングを施した部分は(水洗いをした後)未施工部分より20%位付着率が低かったようです。防御性能というよりも低減効果がありました。
鉄粉除去剤を使った場合の取れやすさ
この検証に関してはかなり明らかな性能差が出ました。硬化被膜型・難付着性能の優位は揺るぎませんでした。
試用した鉄粉除去剤は弊社開発のフォームタイプの鉄粉除去剤なのでこういった丸い形の除去痕になっています。成分はチオグリコール酸アンモニウム(還元剤)と特殊界面活性剤です。放置時間は約3分。
水洗い程度ではエクスシールドの優位性は未施工部分よりもマシという程度でしたが鉄粉除去剤を使った後に水洗いで流した時の除去率はかなり高く、その性能が伺えます。
鉄粉除去剤に関しても更に上位モデルはあるものの性能に関しては自信がある製品を使用しています。市販レベルの鉄粉除去剤で同等の効果が発揮できるかはお約束できませんが、業務用で有効成分濃度が10%以上の製品なら同等の除去率が発揮できるかと思います。